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2017年9月
関節リウマチ治療薬ケブザラ(一般名:サリルマブ)が厚生労働省に承認された。
開発したのはフランスのサノフィとアメリカのリジェネロン。
アメリカと欧州では既に承認されている。

2016年売り上げ世界一の薬は関節リウマチ治療薬ヒュミラ、その売り上げは160億ドル

ヒュミラは特許が切れる関係でこれから売上が減っていくが
世界のリウマチ治療薬への需要は拡大していく。

ケブザラはそのリウマチ治療薬の一つとして発売された。

昔のリウマチ治療はメトトレキサート、リマチル、アザルフィジン、免疫抑制剤
保険適用外だが抗生物質のミノマイシン等が使用されていたがそれらの薬を使っても
治療効果が無い患者さんが居た。

そこに新しい治療アプローチである生物学的製剤というものが近年登場し
リウマチ治療の成果が格段に上がった。

生物学的製剤には大きく分けて3つあり

  1. TNF-α阻害薬・・・レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア
  2. CTLA4抗体・・・オレンシア
  3. 抗IL-6受容体抗体・・・アクテムラ

がある。
どの薬も売上が10億ドル単位のヒット商品。
ケブザラがその中に割って入ってどの程度売り上げを確保できるのか。


関節リウマチとは?

自己免疫が関節組織等を攻撃することにより関節痛や炎症、患部の膨張等の症状が現れ
症状が進行すると関節や骨や靱帯が破壊されやがて機能障害を起こす。

発症のピークは30歳から40歳代で女性に多い。
ようするに膠原病。

なぜリウマチになるのはわからないが近年、原因となる物質はわかってきた。



ケブザラの作用機序は?

関節リウマチ患者の滑液にインターロイキン-6 が過剰に出現している。
リウマチ症状である炎症と関節破壊に大きな関係があると疑われている。

その炎症原因物質であるIL-6受容体αサブユニットに特異的に競合的に結合して炎症シグナルをストップさせる。

中外製薬と大阪大学が創成したアクテムラと同じインターロイキン-6阻害薬。



効能と使い方

既存治療で効果不十分な関節リウマチ

成人にはサリルマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを2週間隔で皮下投与する。
なお、患者の状態により1回150mgに減量すること。


メトトレキサートなど既存薬を試してもダメな時に使えということだな
リウマチになりました。じゃあケブザラ使いましょうとはならない。
まずは他の薬を試してみてから使いましょうと。


主な副作用


鼻咽頭炎43例(13.2%)、好中球減少症40例(12.3%)、注射部位紅斑28例(8.6%)、
口内炎17例(5.2%)等

免疫を抑制するので結核や感染症には常に注意が必要。
IL-6投与中は感染症になっても発熱起こらない事があるので特に注意。


どの程度の効果があるのか?

リウマチ治療の指標にACRというものがある。
アメリカリウマチ学会(ACR)が定めた治療効果を比較する評価法

1.疼痛(圧痛)関節数
2.腫脹関節数
3.患者による疼痛度の評価(analog scale 又は Likert scale)
4.患者による疾患活動性の全般的評価(〃)
5.医師による疾患活動性の全般的評価(〃)
6.患者による身体機能の評価(AIMS、HAQ 等)
7.急性期炎症反応物質(赤沈値又は CRP 濃度)
8.X 線所見等の画像診断法

関節リウマチの臨床的改善の評価基準
以下の A 及び B を満たすとき、改善したと判定する。
A. 上記項目の 1 及び 2 でともに 20%以上の改善がみられること
B. 3〜7 の 5 項目のうち、いずれか 3 項目で 20%以上の改善がみられることをACR20とする。

この試験でケブザラは高い効果を示した。



第 III 相 MONARCH 試験において

ケブザラ 200mg 単剤投与がヒュミラ 40mg の単剤投与との比較で優越性を示した。
ACR20が認められた患者の割合は、(ケブザラ 群 71.7%、 ヒュミラ群 58.4%、p=0.0074)
ACR50が認められた患者の割合は、(ケブザラ 群 45.7%、 ヒュミラ群 29.7%、p=0.0017)
ACR70が認められた患者の割合は、(ケブザラ 群 23.4%、 ヒュミラ群 11.9%、p=p=0.0036)


ケブザラとMTXの併用試験ではプラセボとMTX併用群と比較して
ACR20が認められた患者割合は
(ケブザラ200mg群 66%、ケブザラ150mg群 58%、プラセボ群 33%)

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と世界一の抗リウマチ薬ヒュミラに対して優越性を証明した。



ケブザラの売上


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2017年Q3の決算だと200万€・・・思ったより売れていない。ヒュミラどころではない。
今年発売された同じ免疫製剤のデュピクセントは順調に立ち上がっているのに

これはデュピクセントがアトピー性皮膚炎患者待望の新薬だからだろう。
これまでステロイド漬けで対処するしかなかった患者さんには待望の薬。
所謂ブルーオーシャン。

それに対してケブザラはヒュミラをはじめ強力なライバル薬がたくさんあるレッドオーシャン。
薬の売上は効果そのものよりも如何に早く必要とされている所に届けるかによる。

最初が肝心



ヨブの独り言

サノフィ期待の大型新人ユニットであるケブザラとデュピクセントが成長するとサノフィ株も安泰。
ランタスのマイナス分をカバーまではできないだろうけど

リウマチもアトピーも完治は難しい病気でこの新薬を使っても完治する人は少ないだろうけど
少しでも良くなる人が居たら例えクソ株だったとしても株主としては嬉しい。


kevz





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