0001


旧藤沢薬品工業、現アステラス製薬が開発した免疫抑制剤。
1993年に発売されているので既に特許は切れているが今でも毎年10億ドル以上の売上

2016年の国内医療用医薬品売上ランキングでは16位の488億円
15位のモーラステープを除き上位はすべて先発品な事からもプログラフの根強い支持が読み取れる。

アステラスの製品群での売り上げはイクスタンジの次
組織の鍵は副将が握ると誰かが言ってた副将的な立場


商品名由来はグラフト(移植片)をプロテクト(保護する)

最初はその名前の通りに臓器移植における免疫抑制剤として開発された。
だが臓器移植以外にも様々な免疫疾患に対して使われるように適用が拡大。
重症筋無力症や関節リウマチにも使える。

藤沢の研究員が筑波山などに土壌採取に出かけて発見した放線菌の
二次代謝産物の中から強力な免疫抑制能を持つFK506を発見。
そのFK506こそプログラフ
日本人が日本の山で見つけて日本人が開発したまさにMade in Japanの薬


免疫抑制剤と言えばもう一つ、ノバルティスが真菌から発見したシクロスポリンがあるが
そのシクロスポリンより免疫抑制能は強い。

まだ学会発表の段階だったが他の免疫抑制剤が効かないので海外から小分けしてくれと
外交ルートを通して日本に要請を受けたほどの効果がある薬。

発見も難しいが量産化も菌を元に作っていたから難易度が高かった。
藤沢のペニシリン等の菌を使ったそれまでの製造ノウハウが生かされている。


構造式
0005


今では化学的に全合成できるみたいだけど大変そう。
大きな製薬会社の工場で何重もの工程をかけて作るものが微生物の小さな
細胞内で作れるってのが凄い。

構造的にはマクロライド系に属している。抗生物質のクラリスの仲間
だから代謝酵素も同じCYP3A4

アジスロマイシンという同じマクロライド系の抗生物質は大部分が代謝を受けず
未変化体で胆汁中に排泄されるので併用可能。
アジスロマイシンは併用禁忌が無く使いやすい。



薬理作用

T細胞に作用してインターロイキン等の炎症性サイトカインを抑制する。

タクロリムスはそのままの形では免疫抑制作用を示さない。
まずは核内のFK結合タンパク質と結合してるFK506-FKBP複合体を形成しこの複合体が
カルシニューリンの脱リン酸化を阻害する。

カルシニューリンはNFATを活性化して核内のIL-2産生を亢進させる。
なのでカルシニューリンを阻害すると結果として免疫を活性化するIL-2を抑制できるということ。

他にもIL-6やIL-1β、TNF-αの産生も抑制したりして免疫を抑える。



副作用

免疫抑制剤なので当然感染症には注意が必要だ。副作用は添付文書にたくさん載っているが
特徴的なSEにカリウム値上昇があるので併用薬や食べ物には気を付けた方がいい。

併用禁忌薬の一つとしてアルダクトンAというカリウムが上がりやすい利尿剤がある。
アルダクトンAは利尿剤としてだけ使われるわけではなくニキビの治療など
意外な使用方法があるのでうっかり一緒に飲む危険性がある。




売上の推移

0002


売上はこの数年2000億円弱と安定。
特許は米国では2008年に切れたし日本でも2010年に切れたので
他社から後発品が発売されている。日医工や東和等から

一般的に後発品が販売されたら崖から落ちるように売上が落ちるんだけど
このプログラフは安定した売上を維持している。

1日1回服用ですむ徐放性剤のグラセプターカプセルが新規で販売されたこともあるけど
大きな理由はプログラフが生きるか死ぬかの現場で使われている薬だから
切り替えがそんなに進まないんだと思う。

臓器移植を受けますって生きるか死ぬかの状況だと1%でも生きる可能性が高い選択肢を選びたい。
薬代をケチって信頼性が低い後発品使うより信頼性の高いプログラフを選ぶ気がする。医師も患者も
自分がもし使うなら先発だな。



内服薬以外にも塗り薬はアトピー性皮膚炎治療薬のプロトピック軟膏
春季カタルのタリムス点眼液などさまざまな剤形がありこれからも使われていく薬だろう。

アステラス製薬は抗がん剤のイクスタンジがずっと注目を集めているが
既に特許が切れて特許切れの心配が無いプログラフこそ安定した売り上げを計算できる。


今のアステラスの株価はパイプラインに大きな爆発力が無く
PERが同業他社と比較して割安に評価されているが
プログラフとイクスタンジとで収益を上げてその資金でまた他社を買収をしていけば
これからもアステラスは成長できるとヨブは考えて少しだけアステラス株をロングしている。


にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村