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血液疾患分野において作用機序的に真逆の薬を開発している面白い会社
炎と氷を操るフレイザード将軍的な会社


2016年の売上は開発パートナー企業からのマイルストンフィーで薬としての売上は無い
第一三共から1000万ドル バイエルとヤンセンとブリストルとファイザーから1400万ドル

FDAに承認された薬は一つだけ。
臨床試験段階の薬が2つある。

株主構成

筆頭株主は資産運用会社Wellington 7,907,148株 12.1%
4位株主にシンガポールのTemasek 4,883,568株 7.48%
9位株主にヘッジファンド運用会社D.E.show 1,032,577株 1.58%



新薬候補は3つ

Bevyxxa:経口直接第Xa因子阻害薬 FDA承認済
Andexanet alfa:Xa阻害剤で治療した患者の抗凝固活性を逆転させる組換えタンパク質
Cerdulatinib抗リンパ腫薬で脾臓チロシンキナーゼおよびヤヌスキナーゼを阻害する。


同じXa因子阻害薬であるイグザレルトの様な新規血液サラサラ薬DOACは
これまで使われてきたワーファリンに変わり処方数が増えている、売り上げも右肩上がり

ビタミンKが入っている納豆を食べられなかったり頻回の血液検査を必要とするワーファリンより
制限が少ないDOACは患者さんにとって使いやすい薬である。しかし・・・


Bevyxxa

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一般名:ベトリキサバン

薬理作用:経口直接第Xa因子阻害薬 FDA承認済

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効能・効果:心不全や脳卒中、深刻な感染症や肺疾患などの静脈血栓塞栓予防

用法用量:1日1回 経口投与

半減期が20時間近いので1日1回で効果を持続できる。



深部静脈血栓症とは?

体の深部にある静脈に血栓ができる症状。
多くは大腿部で発生し血栓発生部の痛み、むくみなどがみられる。
血栓が肺に流れ込んで肺塞栓を起こすと胸痛や呼吸困難を伴い、死に至ることもある。
先天性の異常や外傷などによる血管の損傷のほか
長時間同じ体勢をとることによって血流が停滞し、発症する場合もある。

飛行機で長時間同じ態勢で座っていると発生するエコノミークラス症候群も血栓症の一つ
生じた血栓が肺に行って詰まってしまうと呼吸困難や胸痛が突然おこり、死亡する場合もある。


売上見通し


これまで股関節や膝関節の手術後における血栓予防薬はサノフィのクレキサン
クレキサンは低分子ヘパリンで静脈血栓塞栓症のスタンダード薬
最盛期には年間4000億円以上の売上があった。

クレキサンは、1987年にフランスで発売されてからVTE予防の世界的な標準薬として約2億人に使用

このクレキサンに対して臨床試験で優越性を示したのがBevyxxa

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臨床試験でクレキサン+偽薬とクレキサン+Bevyxxaを比較すると
全体の血栓発生率を1.6%低下させた。

この薬がクレキサンより優れている点はリスク減少効果もそうだが経口摂取という点
深部静脈血栓症は病院より家庭で起こりやすいので退院後に自宅で経口摂取できるのは利点。

最初の臨床試験結果では統計的にクレキサンに対して優越性が示すことができずに
株価は大きく下落したが最終的には有効性をFDAに認められた。

FDAから承認された翌日に株価は45%の上昇
承認されるか懐疑的な状況だったので株価は跳ね上がった。


無事承認は得られたが売上が期待通りとなるかは分からない。
市場予想ではピーク時の年間売上1000億円、会社の楽観的な予想では3000億円となっている。

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そしてPortola Pharmaceuticalsは逆に血液を固まらせる薬も開発している。


andexanet alfa 

修飾されたヒト第Xa因子分子

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ヒトの第Xa因子を基に分子設計されている。第Xa因子阻害剤との親和性が第Xa因子より高い。
なので経口剤および注射で投与された第Xa因子阻害剤を特異的に補足するデコイとして作用する。

DOACはワーファリンと違い納豆も食べられるし便利だが欠点なのが解毒剤が無いという事

ワーファリンは過量状態には解毒剤としてビタミンKが存在するが
DOACには現在過量状態に対しての特効薬が存在しない。

血液サラサラになり過ぎた時に対処できる方法が無いと不安
もしandexanet alfaが解毒剤として承認されたら医師は安心してこれまで以上にDOACを処方できる。

そんな理由でバイエル、ヤンセン、ブリストル、ファイザーがこの会社と共同開発している。
日本ではリクシアナを販売している第一三共がパートナーとなって共同開発をしている。

公式ホームページで動画が用意されていた。作用機序が分かりやすい






Cerdulatinib 

phaseⅡ 抗リンパ腫 再発性/難治性のB細胞悪性腫瘍に対する試験が行われている


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経口の阻害剤 脾臓チロシンキナーゼおよびヤヌスキナーゼを阻害する。
イムブルビカよりも上流で阻害作用を示すようだがまだphaseⅡなので期待はできない。
この薬まで承認されたら時価総額は100億ドル良くと思うが



ヨブの独り言

長期服用することが前提なので血液サラサラ薬の市場は巨大
しかもその市場はこれからも成長していく。

しかしBevyxxaの成功はある程度織り込んだ時価総額になっていると思う。
それよりも解毒薬のアンデキサネットアルファの方がこの会社にとっては重要

Bevyxxaが無くても医師が困るということはそんなに今でも無いはず
低分子ヘパリンのクレキサンでも効果は確かにある。
クレキサンよりBevyxxaは良い薬ではあるが絶対的な必要性は無い

しかしアンデキサネットアルファは唯一の薬
DOACの過剰摂取に対しての解毒剤はまだ存在しない

もしFDAから承認されたら一定のニーズは間違いなくある。

まだ薬の売上が無いハイリスクな投資となるが当たればリターンは大きい
この血液サラサラ分野は買収が盛んでもあるのでいつか買収される可能性もある。

もちろん重大な副作用が見つかってぽしゃる可能性もあるけど・・・



バクチってのはな…はずれたら痛い目みるからおもしれぇんだよ!!
byフレイザードさん(魔王軍氷炎魔団長)



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