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ついに誕生した一回飲み切りタイプの抗インフルエンザ薬。
日本の製薬会社である塩野義製薬で開発された抗インフルエンザ薬。
タミフルを開発したスイスの製薬会社ロシュと海外の治験で協力している。

塩野義は既に抗インフルエンザ薬ラピアクタを日本で発売されているが
この薬はアメリカのバイオクリスト社が開発したもの

ゾフルーザは塩野義製薬が一から開発した新規作用機序を有するインフルエンザ治療薬。
鳥インフルエンザウイルスへの効果も有する。なので有用性加算も認められている。



一般名:バロキサビル マルボキシル

ゾフルーザという名の由来
XO(ノックアウト,~がない)+ influenza = Xofluza



効能又は効果
A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症

タミフルで認められている事前投与による予防の効果は認められていない。



用法及び用量

通常,成人及び 12 歳以上の小児には,20 mg 錠 2 錠(バロキサビル マルボキシルとして 40 mg)
を単回経口投与する。ただし,体重 80 kg 以上の患者には 20 mg 錠 4 錠(バロキサビル マルボ
キシルとして 80 mg)を単回経口投与する。

12 歳未満の小児には,以下の用量を単回経口投与


40 kg 以上 20 mg 錠 2 錠(バロキサビル マルボキシルとして40 mg)
20 kg 以上40 kg 未満20 mg 錠 1 錠(バロキサビル マルボキシルとして20 mg)
10 kg 以上20 kg 未満10 mg 錠 1 錠(バロキサビル マルボキシルとして10 mg)

小児だと体重によって薬の量を調節するが成人で体重によって量を変える薬は珍しい。



ゾフルーザとタミフルの薬価(平成30年4月以降)

ゾフルーザ錠10mg:1507.50円
ゾフルーザ錠20mg:2394.50円
タミフルC75mg:272円

体重60キロの人だと1日薬価は4789円で3割負担だと1436円
体重80キロの人だと1日薬価は9578円で3割負担だと2873円

タミフルは成人だと1日2回5日間服用するので10カプセル服用する
なので治療量の薬価は2720円となり3割負担だと816円

タミフルは発売されてから時間がかなり経つので薬価も安くなってきている。
それに対してゾフルーザは新規作用機序を持つ新発売の薬なので厚労省が値段を高く設定してる。

同じ一回で治療が完結するイナビルは成人治療量薬価が4278円とゾフルーザに近い。
これは厚生労働省が類似薬効比例方式でゾフルーザの薬価を決定したから。



薬理作用

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ゾフルーザはプロドラッグ。
体内でエステラーゼによって速やかに加水分解され,バロキサビル マルボキシル活性体に変換
この活性体がキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することによりウイルスの増殖を抑制する。

ゾフルーザはこれまでに発売された抗インフルエンザ薬の作用機序とは全く異なる。

タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビルはノイラミニダーゼ阻害薬
ウイルスが細胞から飛び出て拡散するときに必要な酵素ノイラミニダーゼを邪魔する。
ノイラミニダーゼはウイルスと細胞表面に存在するシアル酸との結合を切る。
切らないとウイルスは外に出ていけない。なので増殖ができない。


シンメトレルはM2タンパク阻害薬
この薬は現在のインフルエンザ治療ではほぼ使われていない。
A型インフルエンザだけが対象でB型には使えない。

アビガン錠はRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬
パンデミックの緊急時にだけ製造となっており使われていない。



インフルエンザウイルスとは

インフルエンザウイルスには2本の手がある。
HA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)という手が

細胞に侵入する時に使う手がHA、出ていく時に使う手がNA

HAによって細胞に侵入した後、インフルエンザウイルスは脱殻して
自身のRNAを含む複合体を放出する。

複合体はさらに細胞の核内に入り込む。
そして核内でヒトmRNA前駆体をキャップ依存性エンドヌクレアーゼという酵素を使って
キャップ構造と呼ばれる部分を切り取る。

そのキャップ構造を利用してRNAの転写を行い、ウイルス自身を合成・複製していく。
その複製したインフルエンザウイルスが細胞から外に出ていく。
出ていく時にノイラミニダーゼを利用しないと出ていけない。


タミフルを始め今使われている薬はみんなウイルスが出ていく時に邪魔するけど
ゾフルーザはそれ以前の段階。ウイルスタンパクの合成を阻害する。

なので症状が出てから48時間以上たっても効果があるのではないかと期待されている。
されているが基本は発症後48時間以内に服用。

個人的にはタミフルと作用機序が違うのだからゾフルーザと併用したら
より効果が高いのではと短絡的な思考で塩野義で働いている知り合いに聞いてみたら
合成阻害の段階でほぼ0にウイルス量を抑制するのでNAを阻害する必要が無いと言われた。
少なくとも保険的にはタミフルとゾフルーザを併用したら返戻だろう。




ゾフルーザの効果


12 歳以上のインフルエンザウイルス感染症患者 687 例(日本人 516 例)に本剤又はプラセボを
単回経口投与時の有効性及び安全性を検討することを目的とした

インフルエンザの各症状(咳,喉の痛み,頭痛,鼻づまり,熱っぽさ又は悪寒,筋肉又は関節の痛
み,並びに疲労感)の全ての症状が「なし」又は「軽度」に改善するまでの時間と定義した。ただ
し,その状態が少なくとも 21.5 時間以上持続していることを条件とした。

※2:欠測例(本剤群 1 例,プラセボ群 1 例)は除外。
※3:インフルエンザ 7 症状の合計スコア(11 点以下,12 点以上)及び地域(日本/アジア,その他の国・地域)を層とした層別一般化 Wilcoxon 検定。


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偽薬と比較して約1日症状が治るのが早い。

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インフルエンザ罹病期間(対オセルタミビル群)
インフルエンザ罹病期間※(中央値)は,本剤群 53.5 時間,オセルタミビル群 53.8 時
間であり,その群間差は-0.3 時間であった。

しかしタミフルと比較してみると症状が収まるのに要する時間は変わりない。

だがしかし・・・


ゾフルーザはタミフルより体内インフルエンザウイルスの量を迅速に減らせる。

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二日目の段階でウイルス量がゾフルーザ群はタミフル群と比較して100分の1に
これまでインフルエンザに罹患すると症状が収まっても他人に移さないために数日間の自宅待機が必要だがもしかしたらゾフルーザは既存薬より早く外出できるのかもしれない。



小児に対する効果

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体重20キロ以下の子供だとゾフルーザを服用すると2日以内に効果が出ているようだ。
しかし子供に処方するためには条件がある。

それは体重が10キロ以上かつ錠剤が服用できること。
タミフルの様なドライシロップは存在しない。
いつかは販売されるかもしれないが味がタミフルと同じく不味い。
子供が嫌がりそうだがタミフルは1日2回5日間で合計10回服用する必要がある。
それに比べると一回で治療が終わるので味のまずさはそこまで問題にならないかも。


ゾフルーザの副作用

ゾフルーザ群では,610 例中 27 例(4.4%)に 37 件で主なものは下痢 11 例(1.8%)であった。
プラセボ群では,309 例中 12 例(3.9%)に 19 件認められ主なものは下痢 4 例(1.3%)等であった。
タミフル群では,513例中 43 例(8.4%)に 53 件で主なものは悪心 8 例(1.6%)下痢 7 例(1.4%)

副作用はかなり少ない印象。20人服用して1人に副作用が出る計算。
下痢や悪心にしてもそれがインフルエンザウイルスによるものか薬のSEかわからないレベル。


インフルエンザウイルス治療薬における異常行動について

因果関係は不明であるものの,抗インフルエンザウイルス薬投薬後に異常行動等の精神・
神経症状を発現した例が報告されている。小児・未成年者については,異常行動による転
落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として,本剤による治療が開始された
後は,①異常行動の発現のおそれがあること,②自宅において療養を行う場合,少なくと
も 2 日間,保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・
家族に対し説明を行うこと。
なお,等によっても,同様の症状があら
われるとの報告があるので,上記と同様の説明を行うこと

インフルエンザ脳症自体に異常行動リスクがあるので薬の影響かは不明。
しかしどちらにしても異常行動のリスクがあるのだから注意すること自体は必要。


妊娠中のゾフルーザ服用

妊娠中の安全性を検討する臨床試験は実施しておらず安全性は確立していない。

動物試験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用は認められていないが
妊娠ウサギに 1000 mg/kg/日(AUC 比較で臨床曝露量の 4 倍以上)を投与した場合に
摂餌量減少に伴う流産,胎児の骨格変異所見(頚部短小過剰肋骨発現頻度の上昇)が認められた。

しかしながら,本試験で認められた流産は本剤投与による摂餌抑制に伴う二次的な影響であると
考えられ,頚部過剰肋骨は一般的に隣接する頚椎骨の成長過程で吸収され児の成長とともに発現頻度が低下する。

妊婦は,妊娠中の免疫機能の低下,心血管系や呼吸器系の変化により,インフルエンザウイル
スに感染した際に重症化するおそれのあるハイリスク群とされ,予防や早期の治療が推奨され
ている。したがって,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性
を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

タミフルは臨床の現場で妊娠中でも使われているがゾフルーザはどうなるのか。



食事の影響

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食事の影響 
健康成人男性を対象に,本剤 40 mg を空腹時(14 例)又は普通食摂取後(14 例)に単回経
口投与したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータを表Ⅶ-4,平均
血漿中濃度推移を図Ⅶ-3 に示す。空腹時投与と比べ食後投与で Cmax は 48%,AUC は 36%
減少した。Tmax の中央値はいずれも 4 時間であった。

ゾフルーザは空腹時に飲んだ方が吸収効率が良い。



排泄
排泄部位及び経路(外国人データ)
健康成人男性6例に[14C]-バロキサビル マルボキシル40 mgを空腹時単回経口投与したとき,
投与された放射能の 80%が糞便中

バロキサビル マルボキシル活性体の尿中排泄率は 3.28%であり,バロキサビル マルボキシル活性体の消失に対する腎排泄の寄与は小さく,主に胆汁を介した糞中排泄

腎機能が弱まっている患者さんにも使いやすそう。



独り言
タミフルは5日間服用しなければいけない。
小児でドライシロップだと一回服用させたら苦くて子供が拒否することもある

ゾフルーザは1回飲み切りで薬効はタミフルと同等
服用しやすさで明らかにメリットがある。
苦いと子供が分かっても二回目が無いから問題ない。

塩野義はゾフルーザの売り上げ目標を全世界で10億ドルとしている。

タミフルの過去の売上推移を見てみるとパンデミックが起きた年に30億ドルを超えている。
またパンデミックが起これば、それまでにゾフルーザがシェアを取っていれば
単年で10億ドル超えは可能だと思う。

塩野義製薬は昔から抗生物質の開発とかで名を馳せ開発力がある会社。
クレストールも塩野義製薬が開発して全世界での売上は毎年数千億円。(AZNが世界で販売
そのクレストールも特許が切れてしまったのでゾフルーザは塩野義にとって重要な薬

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