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武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーに買収を打診したと報じた。


武田が提案している内容は

・シャイアーの価値を1株あたり46.5ポンド、総額427億ポンド(約6兆5千億円)と想定
・シャイアー株1株につき17.75ポンドの現金と、28.75ポンドに相当する武田の新株を対価



買収に掛かる武田の資本としては

現金が2兆5千億円で株式交換分の武田薬品株が4兆円となる。

4月20日の今時点で武田薬品の時価総額がちょうど4兆円なわけだが・・・
武田株の希薄化が凄そう。

それにシャイアーの株主からしたら魅力的な薬が少ない武田株なんて貰いたくないんでは
まだ現金と株式の比率が逆だったらシャイアー株主にとってもあり得る話かもしれないが

だから当然・・・


シャイアーは買収提案を拒否

シャイアーは武田の買収提案を拒否した。まだ協議自体は継続中だが
そもそもシャイアーの価値が6兆5千億円という想定が低い気がする。

2015年の時点でシャイアー株は55ポンド、しかも英ポンドは190円あたり
それが2018年だと40ポンドで英ポンドは150円

武田からしたら確かにシャイアー株は値ごろ感があるし買いたくなるのも解らんでもない

しかしシャイアーの成長率と利益率を見ていると時価総額はもっと高いはず。
少なくとも武田と同じ程度の価値ではない。



シャイアー株の低迷理由

なぜシャイアーの株価が低迷しているかというと主力の血友病製剤の売上がロシュのヘムライブラ(一般名:エミシズマブ)の登場で売上を落とすとの市場の思惑がある。

血友病の薬は足らない凝固因子を補充していくのだが毎日病院に行くのは負担になる。
なのでより半減期の長い血友病治療薬が市場から求められている。

シャイアーのアディノベイトは週2回投与だがヘムライブラは週一回の投与、しかも皮下注。
血友病製剤が抗体の発現(インヒビター)により効果がなくなってしまった場合でも作用するように二重特異性抗体という最新のバイオ工学を駆使した利点を兼ね備えている。隙が無い。

他にもノボノルディスクやバイエルが半減期を延長した血友病製剤を開発中でシェア争いが激しい
シャイアーはせっかく借金してまでバクスアルタを買って血液製剤分野を買ったのに利益が出にくい

しかしシャイアーの売上全体における血液分野の割合は25%程度
他の分野は成長しているし会社の成長が止まることは無い。



武田の提案は成功するのか?

LON(SHP)
kabuka


株価的に武田の提案に対して市場は半信半疑

しかし、シャイアーを買収したい会社は武田以外にもたくさんある。
昨日はアイルランド同業のアラガンにシャイアー買収の噂が出てアラガン株が急落した。
しかしこれは仮にアラガンが買収するなら武田と同じく財務的に無理があるから

仮に武田よりもっと会社の規模が大きく買収は全額キャッシュで払うよという製薬会社が現れたらシャイアーは買収に応じるかもしれない

特に米国の製薬会社は過去にアイルランドの製薬会社を買収しようというときに法人税の安いアイルランドに本社を移転して税金を安くしようとしていると批判されディールが失敗した。
しかし米国はトランプの税制改革で法人税が安くなり法人税にそこまで差がなくなったので堂々と買収することができる。

常に買収により成長してきたファイザー
過去にシャイアー買収で頓挫したアッヴィ

この2つの製薬会社ならあり得そう

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