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武田薬品が5月8日に出したIRにはこう書いてある。

確固たる配当方針及び信用格付けを維持してまいります。
当社の確固たる配当方針は、引き続き将来の株主還元の根幹を成すものです。


しかしシャイアー買収後もこれまで通り高配当を維持できるのだろうか?

武田が株主に支払っている年間配当金額 

株主数 287,020名
発行済株式総数 790,521,195株 
年間一株配当180円




という事はこれまで一年間に支払っている配当総額は790521195×180円で

1422億円


シャイアー買収後の武田が支払う配当額


そしてシャイアー買収により武田は新たな株を発行する。
その株数はこれまでの発行済株式数とほぼ同等になるらしい

そうなるとシャイアー買収後の武田の株式総数は1581,042,390株
一株180円を維持するなら1581,042,390×180円で




2845億円



を毎年株主に支払うということになる。
払えるのか?


武田の営業利益と純利益
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青線がこれまで支払っている配当額1422億円
赤線が合併後に支払う予定の配当額2845億円

これまでですら純利益以上の配当額を支払っており余裕は無い。
今のままだと年間2800億円の配当額はどう考えてもタコ足配当になる。だが・・・



シャイアー買収後

シャイアー買収後にはシャイアーからの利益も合算できる

シャイアーの営業利益と純利益
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シャイアーもこれまで買収を繰り返してきた企業で利益には大きなバラつきがある。事業売却したり
しかし現在のシャイアーの体制だとコンスタントに年間純利益2000億円は捻出することが可能

現在の武田に2000億円の純利益が入れば株式数が二倍になっても一株180円は維持できるかも
しかし・・・


巨額の借金

シャイアー買収に伴い大きな借金が発生する。


武田が元々持っている借金1兆円
シャイアーが持っている借金2兆円
銀行団から借りる予定の借金3兆円

合計6兆円を返済していかないといけない

配当を維持しつつ6兆円の借金も返すとなるとまた大変だし成長していくのが難しくなる。むしろ




武田は減配or無配にした方がいい

シャイアーはこれまで配当をほとんど出さないで企業買収に資金を振り分け成長してきた。
そのシャイアーの成長を武田の株主に配当として使うだけでは武田は世界のメガファーマと戦えない

合併後の武田は売上をみると世界9位。
しかし世界上位の3社であるロシュファイザーノバルティスとはまだまだ大きな隔たりがある
合併後の新生武田であっても挑戦者の立場。

上位3社に少しでも追いつこうと思うなら配当分をすべてM&AとR&Dに注ぎ込むべき
そして真の世界の製薬会社トップ企業の一社となった段階で初めて配当を開始したらいい。

ファイザーは製薬会社ワイスを買収したときに配当を半分に減配した。しかしその買収は10年後の今になってみれば成功し配当も減配前以上の配当に復活している。

減配がCEOの大きな落ち度とみなされる米国で減配を厭わず買収し成功して今のファイザーがある。

ファイザーは日本のバブル期だとまだ規模的に普通の製薬会社で時価総額だと武田より小さかった。
そこから買収を繰り返し成長することで今は時価総額が武田の5倍となっている。

製薬の買収は新薬の成功と特許切れの舵取りがその成否を決める。

シャイアー買収して利益が上がりやすくなったといってもそれが長く続くとは限らない

ADHD治療薬ビバンセ(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)は2023年に特許切れの予定
そしてこれまで利幅が大きくシャイアーが強化してきた血液分野でもライバルが新薬を開発してきて価格競争とシェア争いに巻き込まれている。このままではシャイアーの高利益体制も長続きしない。

シャイアーがこれまで維持してきた成長力を求めるなら配当維持ではなく成長に資金を使うべき

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