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アッヴィは米国シカゴに本社を置く世界的なバイオテクノロジー企業

この会社を語る上で欠かせないのが2017年売上世界ナンバー1のリウマチ治療薬ヒュミラ
2017年には2兆円以上の売上を記録しアッヴィ社売上全体の3分の2を占める

アッヴィの様な規模の製薬会社でここまで一つの薬に売り上げを依存している会社は他に無い。

アッヴィ概要(2017年)

本社所在地:シカゴ

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過去5年間の株価
5years


株式上場している取引所:ニューヨーク証券取引所
ティッカーシンボル:ABBV

売上:282億ドル
研究開発費:50億ドル
営業利益:96億ドル
純利益:53億ドル
配当支払額:41億ドル

株価:100ドル
一株配当額:3.86ドル
配当利回り:3.86%


年間売上
789


営業利益
790


純利益

791




アッヴィの歴史

1888年:ウォレス・アボット医師が アボット・アルカロイド・カンパニーを設立
abb

アボットは開業医の傍ら薬局も経営しており植物から抽出した医薬成分を販売していた
それまでアボットはキニーネやコデインといったアルカロイドを患者に処方していたが液剤しかなく時間が経つと腐敗するなど使い勝手が悪かった。

abal

そこでベルギーで固形アルカロイド製剤の製法が開発されたと聞きそれを参考にアボットが自ら製造
含有量の正確さで大ヒット

1915年:Abbott Laboratoriesに名称が変更
1916年:戦場での傷を清拭するために防腐剤クロラゼンを開発
chlo

1921年:ウォレス・アボット医師が亡くなる
1922年:アーネスト・ヴォルワイラー博士とロジャー・アダムス博士が、画期的な麻酔薬の第一号であるブチルアルコールベースの麻酔薬ブチンを開発
1929年:大恐慌の年に新規株式公開。シカゴ証券取引所に22000株を32ドル(当時価格)でIPO
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(シカゴ証券取引所)

1935年:手術で活躍する麻酔薬「ペントタール 」を発売。
1952年:マクロライド系抗生物質エリスロマイシン(和名:エリスロシン)を開発
1962年:大日本製薬株式会社との合弁事業に参入
1963年:血中甲状腺ホルモン測定器Triosorbを開発
1964年:人気の高い乳児用ミルクメーカーであるM&R Dieteticを買収
1972年:放射性免疫測定法による血清中の肝炎診断機「オースリア」を発売。
1979年:抗てんかん薬バルプロ酸ナトリウム(和名:デパケン)を販売開始
1985年:世界で初めてHIV抗体検査を開始
1994年:吸入麻酔剤であるセボフルランを導入
1991年:マクロライド系抗生物質クラリスロマイシン(和名:クラリス)大正製薬から導入
1996年:世界初のHIVプロテアーゼ阻害剤リトナビル(和名:ノービア)を開発
2001年:BASFの医薬品部門であるKnoll社を現金69億ドルで買収。
basf

開発コードネームD2E7 Knoll社が開発していたD2E7がのちのヒュミラ

2002年:初のヒト型抗ヒトTNAαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の承認をFDAより取得
2004年:病院向け製品部門をHospiraという新会社として分社化
2007年:現金で37億ドルでコスファーマシューティカルズを買収
2009年:Advanced Medical Opticsの買収を完了
2010年:化学会社ソルベイの医薬品部門を45億ユーロでの買収
2013年:新薬の販売や研究を行う部門をAbbVieとして1月2日にニューヨーク証券取引所に上場
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2015年:ファーマサイクリックスを210億ドルで買収し抗がん剤イムブルビカを手に入れる





アッヴィの売上トップ5(2017年)

1位:ヒュミラ【184.27億ドル】
2017年売上世界ナンバーワン
humira


2位:イムブルビカ【25.73億ドル】
共同開発したジョンソン・エンド・ジョンソンが米国外の販売権を持つ
imb


3位:HCVフランチャイズ【12.74億ドル】
マヴィレットやハーボニーは極めて高い治癒能力がある。という事は患者さんが減り売上も・・・
mav


4位:CREON【8.31億ドル】
膵外分泌機能不全患者に
creon


5位:Lupron【8.29億ドル】
リュープリン製剤、製剤学的工夫を凝らしておりロングセラー
lup




過去に開発した薬
  • エリスロシン(一般名:エリスロマイシン) マクロライド系抗生物質
  • エンシュアリキッド:バニラ味,コーヒー味及びストロベリー味などがある栄養剤
  • カトレラ(一般名:ロピナビル・リトナビル)プロテアーゼ阻害薬で内用液もある
  • シナジス(一般名:RSウイルスモノクローナル抗体)RSウイルス感染症の重症化を防ぐ
  • デュオドーパ(一般名:レボドパ・カルビドパ)パーキンソン病のウェアリングオフ症状を改善
  • ノービア(一般名:リトナビル)抗HIV薬だが併用禁忌が沢山あるので注意
  • ホクナリンテープ(一般名 ツロブテロール):貼り薬の喘息薬
  • ポリフル(一般名 ポリカルボフィルカルシウム) 下痢にも便秘にも、錠剤は巨大で飲みにくい
  • ルボックス(一般名:フルボキサミン) 日本初のSSRI パキシルの先輩
  • ヴィキラックス(一般名:オムビタスビル/パリタプレビル) ジェノタイプ1型C型肝炎



ヒュミラの売上
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ヒュミラはアッヴィ社の命運を握る薬
なので常にその特許切れが心配されて株価を下に押し下げる。

分社前のアボット社はヒュミラ特許切れ問題がアボット社全体の評価を下げているとの理由でヒュミラを含む新薬部門(アッヴィ)とそれ以外(アボット)に分けた。

もしヒュミラが無ければアッヴィに分社されることもなかった。まさに会社の命運を変えた薬

2018年の時価総額だとアボット社が1100億ドル、アッヴィ社が1600億ドルで合計すると2700億ドルとなりファイザーの時価総額2100億ドルを大きく上回る。

90年前からアボット株を握りしめていたら現在価値で約1万倍になっている。


アッヴィ社売上に占めるヒュミラの割合
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イムブルビカやマヴィレットといった薬も売れているがそれ以上にヒュミラの売上の伸びが凄い


なぜヒュミラがここまで売れているか?

それは効果と便利さ

ヒュミラと同じジャンルの薬はレミケードとエンブレルがある。
リウマチの原因の一つがTNF
3剤とも腫瘍壊死因子(TNF)を邪魔してその作用を抑制する。


ヒュミラとレミケードとエンブレルの3つに劇的な差は無い。
違うのは投与方法。

レミケードは病院で点滴(2時間以上)とメトトレキサート併用必須
エンブレルは皮下注射製剤だが週に2回必要

それらに対してヒュミラは自宅で皮下注 しかも2週間に1回
誰だって注射はしたくない。頻度は少ない方がいい。


幅広い効能効果

ヒュミラはリウマチだけでなく様々な疾患に使用できる

関節リウマチ
尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬
強直性脊椎炎
腸管型ベーチェット病
クローン病
潰瘍性大腸炎



ヒュミラは完治薬でなくコントローラー

偽物の薬が出回り話題となったC型肝炎治療薬ハーボニー
超高額薬価で開発したギリアドサイエンシズは大儲け
しかしギリアドサイエンシズ株価は下げている。

なぜならハーボニーはほぼ完ぺきに病気を治してしまうので患者数が減少してしまい売れなくなった。
完治させる薬はいつか売れなくなる。

これに対してヒュミラは基本的に継続して治療する薬。
最近の研究でヒュミラで症状が収まった患者さんを対象にヒュミラを辞めたら再発するかの試験が行われているが1年後には約半数が辞めたらリウマチが再発する。

使ったら症状を抑えられるが使わないと再発する。
売れる薬の理想形



バイオシミラー

ファイザーやアムジェン、持田製薬がヒュミラ主成分のアダリムマブ製剤を開発中

正直バイオシミラーが発売されてどの程度売り上げに影響があるかは予想できない。
シビアな疾患に使われているので先発品にこだわりを持つ患者さんや医師がいそうだが

アッヴィ社としてはヒュミラで得られる莫大な利益を使い他の製薬会社を買収しヒュミラ依存度をできるだけ下げていく必要がある。
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